朝刊をとりに外へ出ると、玄関前のコンクリート上にアブラゼミが仰向けになって
足をばたつかせていた。ひっくり返してやっても、少し歩くとまたひっくり返って
しまう。もう寿命なんだな。夏の間うるさいほど鳴きまくっていた命も、残夏の
日の光の中で消えていくと思うと寂しくなるものだ。