「まえがき」の文章にちょっと心を惹かれた。
最初の方を引用してみる。

「二十歳になるくらいまで、私は自分を活字中毒者だと信じて
疑いませんでした。
手元の一冊を読み終わってしまうと落ち着かなくて、読む本を求めて
あちこちウロウロする子供。昼休み、教室の誰もが外に遊びに行く中、
一人床に座って黙々と学級文庫を制覇する生徒。国語の教科書はもちろん、
配られたその日に一気読み(かといって内容を理解出来ていたわけではない)。
そういう学生でした。

本への憧れもすごいものがありました。本屋さんに足を踏み入れた瞬間の、
真新しい紙とインクの匂い、図書館の高い天井に満ちた静けさ、そういった
ものに胸がときめいて仕方がなかった。」