ミラボー橋

ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
われ等の恋が流れる
わたしは思い出す
悩みのあとには楽しみが来ると

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

手と手をつなぎ顔と顔を向け合はう
かうしていると
われ等の腕の橋の下を
疲れた無窮の時が流れる

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

流れる水のやうに恋も死んでゆく
恋もまた死んでゆく
生命(いのち)ばかりが長く
希望ばかりが大きい

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

日が去り月が行き
過ぎた時も
昔の恋もふたたびは帰らない
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る