>>167に付け足し。

この美智子皇后の>>164の歌の魅力について、ちょっと考えてみた。

どうやらそれは音韻上の魅力に一部を帰せられそうだ。

「幾光年太古の光いまさして地球は春をととのふる大地」
(いくこうねん たいこのひかりいまさして ちきゅうははるをととのふるだいち)

子細に見ると、この一首の中には、どれぐらい意識したかはわからない
けれども、結果的に韻を踏んだ形が含まれており、それが全体の響きの
ゆったりした端正な趣きを生んでいる。

つまり、「いくこうねん」、「たいこ」、「いま」、最後の「だいち」の
イ音、前半の「たいこ」と最後の「だいち」の類似音、「ちきゅう」と
「だいち」のチ音、「はる」と「ととのふる」のル音、等々。頭韻と脚韻の
組み合わせその他の音韻上の響き合いからこの一首は成り立っている。
(続く)