例年、年末年始には、小林一茶の句を思い浮かべることが多い。
今回の年末はいろいろ雑用が多くて、ここに書き込む精神的余裕がなかった。
年頭にあたって、ここで、一茶の印象的な句を紹介しておこう。

春立や菰もかぶらず五十年

(はるたつや こももかぶらず ごじゅうねん)

注: 「菰(こも)」は「ワラで粗く織ったむしろ」のこと。「菰をかぶる」
のはこじきの風体である。

句の意は「ホームレスにもならずに五十年生きてきて、また新年を迎える
ことができた。やれやれ、ありがたいことだ」ぐらい。

(ちなみに、この年、一茶は江戸での生活を捨て、故郷の柏原に帰ることを
決意する)