>>114で挙げた、「わが生涯は過失であった」という一文のある散文詩には、
自分の思春期の頃について、こう書いている。

「〜 私の中学に居た日は悲しかった。落第。忠告。鉄拳制裁。絶えまなき
教師の叱責。父母の嗟嘆。そして灼きつくやうな苦しい性欲。手淫。妄想。
血塗られた悩みの日課!」

勉学の落ちこぼれやイジメのせいで不登校になる今の中学生、ニート、
ひきこもり、等々の境遇とあまり変わらないようである。

しかし、こういう悩みの日々を経てから、日本近代詩で他にほとんど類の
ない妖しくも美しい口語自由詩が生まれたのであった。