完璧な虚無主義者で読書人の一人暮らし
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虚無主義またはニヒリズムとは、
「既存の価値体系や権威をすべて否定する思想や態度」
のことである。
あるいは、
「ニヒリズムあるいは虚無主義とは、この世界、特に過去および現在における
人間の存在には意義、目的、理解できるような真理、本質的な価値などがない
と主張する哲学的な立場である」(ウィキペディア)
そういう虚無主義者で、しかも本を読むのが好きな人間が一人暮らしを
しながら日々の雑感をつづる。 虚無主義者と読書人は相性がいいだろう。虚無主義者になるに至るまでに、
それなりにいろいろな本を読んできたであろう。
また、虚無主義者であるからには、愛とか結婚とかに幻想を抱いていない
はずだから、独身者で一人暮らしをしている可能性が高い。
つまり、虚無主義者と読書人と独身者を一身に兼ね備える人間はそれなりにいて
おかしくない。
もっとも、現代日本では、読書人はほぼ絶滅危惧種である。読書人である時点で、
ごく少数派であるから、このスレも、結局、俺の個人ブログになるかもしれない。 この間、エホバの証人の勧誘員2人の訪問を受けた。
やれやれ。
(驚いたことに、今の勧誘員はタブレットPCを持ち歩いている。
それで聖書の一節か何かを示して、どう思いますかとか聞く。
宗教勧誘もハイテクになったもんだなあ)
虚無主義者の俺様に神を信じますかなどと訊く。
忙しいから取り合わなかったけど、「いるんなら、ちょっと連れて来てくれ。
『おまえは地球をこんな具合にしておいて、一体どこで
くだを巻いてやがんだ』等々、小一時間、説教したい」とでも言いたいところだ。 最近読んだ本は
施川ユウキの『バーナード嬢曰く』第4巻。
読書エッセイ・ギャグ漫画。
もう4巻目で、ややパワーが落ちたが、やっぱり面白い。 この施川ユウキという漫画家には詩人と共通するものを感じる。
比喩とか、斬新な見方とかにハッとさせられるのだ。
こういう人は、昔は詩人や小説家になっていたかもしれない。
今は職業の選択肢が漫画やアニメ、ゲーム等々、さまざまに広がって
いる。そういう点では、現代は、創造力のある人間にとってはありがたい
時代である。
われわれは、ひょっとしたら、優れた詩人を得そこなったのかも
しれないが、代わりに無二のギャグ漫画家を恵まれたと考えることが
できるだろう。 読書エッセイ・ギャグ漫画といえば、
『今日の早川さん』も知る人ぞ知る名作。
3巻までで、しばらく音沙汰がないが、4巻はいつ出るのかな。 >7
>現代の宮沢賢治だな
施川ユウキを「現代の宮沢賢治」と形容するのはたぶん褒めすぎだろう(笑)
一方で、宮沢賢治には確かにユーモアがある。
死の床についている時にもギャグあるいはユーモアを忘れない。
「だめでせう
とまりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです
〜」
で始まる、「眼にて云ふ」という詩がすごい。 せっかくだから、この「眼にて云ふ」という詩の全文を引用しておこう。
「眼にて云ふ」
だめでせう
とまりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです
けれどもなんといゝ風でせう
もう清明が近いので
あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに
きれいな風が来るですな
もみぢの嫩芽と毛のやうな花に
秋草のやうな波をたて
焼痕のある藺草のむしろも青いです
あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが
黒いフロックコートを召して
こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば
これで死んでもまづは文句もありません
血がでてゐるにかゝはらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄なかばからだをはなれたのですかな
たゞどうも血のために
それを云へないがひどいです
あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるのは
やっぱりきれいな青ぞらと
すきとほった風ばかりです。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています