ゼミは木曜日だから明日。
テキストに(ドイツ語だが)「グノーシス主義」なんて言葉が出てきたので、私が解説することになった。
一応、湯浅泰雄の『ユングとキリスト教』講談社学術文庫、の一章が「グノーシス」についての解説に充てられているので、
そこから纏めて話すことにした。

「グノーシス」と聞くと「キリスト教グノーシス派。異端とされ弾圧された」という認識しかないのが平均的大学生の教養水準だが、
そもそもグノーシスとキリスト教は無関係のもので、社会学上の存在としての"キリスト教"に"グノーシス主義"が混入してきただけのこと。
こういうのをシンクレティズムという。

たとえば「生長の家」という神道系新宗教は「人は本来神の子無罪なり」というのが根本教義だが、
そこの初代教祖がある時書いた著作名が『ヨハネ伝福音書講義』というものだった。これがシンクレティズム。
矛盾を矛盾と気付かずに平然としているごった煮のこと。