俺中3の秋友人数人で金を出し合って友達の爺さんの服を着て変装して本屋でデラべっぺんっての買った。友達と俺の近所の竹藪のほこらに隠した。
その夜台風が直撃した。俺ははデラべっぴんが気になって寝付けなくなった。夜中に家抜け出して竹藪のぬかるみをかき分け歩いた。
大嵐の闇夜のほこらの軒下で目を凝らして雨でベトベトになったデラべっぴんドキドキしながらめくったのを今思い出した。
そういやあの時死ぬほど興奮したな。今スマホでなんでも見れるよな。あの頃の不細工な顔でかばばあじゃなくてとびきりの世界中の美女を。
ああ、なんかあの夜はBUMPオブなんとかの天体観測みたいな感じだよな。見えないものをみようとして〜
今とても虚しい、別にまだ無職でも働いてた時の貯金ある大概のものは買える。部屋になんでもあるテレビpcスマホ楽器ゲーム冷蔵庫お菓子に、でも、なんか虚しい。
あのフルボッキしながらデラべっぴんの為に大嵐の真夜中、真っ暗闇の竹藪を走った時に帰りたい。