https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171023-00050014-yomidr-sctch

関東地方の男性(22)は、2010年6月、頭や首筋にできた赤い小さな斑点に気づいた。だんだん大きくなり目立つようになったため
、近くの皮膚科を受診したところ、水虫菌(白癬(はくせん)菌)の一つ、「トンスランス菌」が原因とわかった。頭や体をぶつけ合う格闘技を通じた感染が多く、男性も、幼稚園から柔道を続けていた。(中島久美子)

■国際試合で外国人から日本人に伝染か

 「トンスランス菌」は、水虫菌の中でも、感染力が強い。皮膚や毛髪が含むたんぱく質を栄養として、主に頭や体部(顔、胴体部分、手足)に寄生する。皮膚同士の接触で人からうつる。床に落ちた毛髪やあかから感染することもある。
 国内では2000年ごろ、柔道やレスリング、相撲の競技者間での流行が始まった。国際試合で外国人から日本人にうつったと思われる。
 赤い点から始まり、直径1〜2センチほどの環状に広がる。体部ではかゆみや痛みはほぼないが、皮膚がかさかさになる。頭部では、かさぶたが生じ、毛髪が抜け落ちる。まれに、毛根が破壊され、永久に毛が生えなくなる。
 菌は、長期間生き残る。周囲への感染を防ぐためにも、抗真菌薬でしっかり治療する必要がある。
 だが、症状は個人差があり、頭部ではほとんど出ないこともある。軽いと放置してしまい、保菌者として人にうつす可能性がある。