かつら最大手のアデランスは6日、男女向けの新しい増毛システムを始めると発表した。
米国の子会社、ヘアクラブ(フロリダ州)が手掛ける定額制システムを日本に逆輸入したサービスで、国内の女性向けに定額制を採用するのは今回が初めて。

顧客の悩みに応じてプログラムを提案、長期間装着をできるように改良したかつらやカラー、パーマなどを提供する。
低価格やネット販売で国内市場は苦戦するなか、価格の分かりやすさや安心感を打ち出し、新規顧客の掘り起こしの一手とする。

システム名は「フリーダム」。薄毛で悩む男性や女性の苦しみを解き放つ「自由」を示す。

定額制システムでは会員となった顧客に対し、悩みに沿ったプログラムを提示する。サービスを施す範囲によって価格は異なるが、
基本的なタイプの場合、かつらの装着やカット、パーマ、シャンプーを含め年間18万7920円。月々1万6400円からサービスを受けられる。
これまで1つ30万円以上するオーダーメードの高級かつらなどを買った顧客が、定期的に訪れるサロンでのサービスは有料だった。

かつらの改善も進め、新サービスでは従来品と一線を画す。
数週間取り外すことなく着けることができる「連続装着型」を開発。素材や接着方法を工夫し、地毛と人工毛が近くでみても分からず、生え際や分け目も自然に見えるようにした。
水泳や温泉のほか、出張といったビジネスでも使用できる。

同日に都内で記者会見した津村佳宏社長は「今までのかつらを売る『モノ消費』から、毎月美容室に来てパーマなども楽しむ『コト消費』に変わっていく」と話す。

同社は女性向けかつらの価格競争に巻き込まれて業績が傾き、今年2月10日にMBO(経営陣が参加する買収)で非上場企業になった。
中期的な成長が期待できる海外に積極展開する方針だが、国内市場ではファッションとヘアを交えた新システムを立て直しに向けた第一歩と位置付ける。
(企業報道部 原欣宏)

配信 2017/4/6 12:42

日本経済新聞 ニュースサイトを読む
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