45まで生きてきて自宅警備のみの人生。額の面積は年を追うごとに広がるばかりだ。そんな俺でも採用してくれる会社がようやくみつかった。

寡黙な親父は初バイトの報告をしても「そうか」と言うだけで特に驚きも喜びもしなかったが、いつもより酒が増えていたので内心は嬉しかったのだろう。
母親は「裕司、バイトだからこれから忙しくなるね、早くお金貯めてかつら買わなきゃね。応援してるわ。」って凄く嬉しそうだった。
かつらさえあれば彼女ができるし、そうすればTENGAともお別れできる。
バラ色の人生が待っている。
早く結婚して親に孫の顔を見せてあげたい。