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スズメバチ被害 今が一番注意

東スポWeb 2017年09月26日 08時00分


東京のど真ん中の港区・芝公園で23日、スズメバチに刺された男女11人が病院に搬送された。警視庁愛宕署によると、ハチに刺されたのは3〜9歳の子供5人を含む11人。
刺された人は「茂みの中から出てきた多数のハチに襲われた」と話した。

24日には、サッカーJ2長崎で場外イベントとして開催予定だったイベントが、スズメバチの飛来を受けて中止された。
7月には東京都あきる野市の宿泊施設で幼稚園児ら23人がスズメバチとみられるハチに刺され、搬送された。

「信州日本みつばちの会」の会長でハチ研究家の富永朝和氏は
「今年はスズメバチの巣の数が例年の2割増しで多い。
4〜5月の巣作りの時期が暖かい気候、適度な雨など、巣作りに適切な環境だったからでしょう」と指摘し、こう続ける。

「20〜30年前はスズメバチやミツバチは田舎しかいなかったものですが、近年は都会でも非常に増えている。
田舎で殺虫剤などによるハチの駆除がどんどん進み、都心部へ移動してきている。
ハチにとっては、もはや都会の方が生きやすい環境なのです」

実は1年間で9〜10月が最もスズメバチに気を付けなければならない時期だという。
「今の時期は巣が幼虫で満杯の状態。
ハチは子供を守る執念がすさまじく、変わったことがあるとすぐ攻撃してくる。
巣に近寄ったただけでも襲い掛かってくるでしょう」(同)

スズメバチの毒は特定の血清がないため、刺されると死に至る危険性もある。
厚生労働省によると、毎年20〜30人がハチ毒のアナフィラキシーショックで死亡している。

富永氏は「ハチの毒は個人の体質によって体内の毒の成分が変わるため、血清を作ることができない。1回刺されると体の中に抗体ができるのですが、
2回目の場合、前の抗体と合わない抗体ができてしまうとじんましん、目が見えなくなるなどの症状が出ることがあります」と注意喚起している。