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 そんな田中氏に、時代は違えど、もし護衛艦『いずも』を「艦これ」に登場させるなら、どんなキャラクターをイメージするのか、尋ねてみた。

「そうですね……『いずも』は優しい感じのイメージがありますね。広い全通甲板と存在感のある大きな船体を持っていますが、搭載している兵装は自らを守る、防御用のもの。
そしてこれからの洋上航空戦力を育み、時代へつないでいく存在であること。また、各種災害時にも輸送や支援に活躍できる有力なプラトフォーム艦でもあることから
『包み込んでくれる優しい母性』を持つ、少しおっとりした性格……でもいざというときはとても頼りがいのある、そんな女性でしょうか」

 そんな田中氏が艦艇に興味を持ったきっかけは、少年時代にさかのぼる。

「子供のころ、小遣いをやりくりして、艦船プラ模型を買っては組み立てていました。机の上に駆逐艦や軽巡洋艦を並べて、小艦隊を作って。
最初は機能美といいますか、かっこいいな、形がすごいなというところから入るのですが、大人になるにつれ、それぞれの艦が持つ歴史に自然と興味を持ち始めます。
そして、その歴史の中の奮闘ぶりを、覚えていようと思いました。塗りつぶすように忘れてしまうのではなく、知って、考えて、つないでいこうと。その思いは、今も同じですね」

 最後に護衛艦『いずも』への期待を語っていただいた。

「前回の観艦式で、訓練展示を終え、浦賀水道に入る前の岐路に艦隊と海を見て思ったんです。ああ、なんてきれいなんだろうと。いざというときには戦う艦隊ですが、夕日に輝く海面と艦隊の組み合わせはとてもきれいでした。
研磨された、しかしいざというときにしか抜かれない剣。次代につなぐ、新しい海上自衛隊の中核艦の一つとして、艦と隊員の皆さんに頑張ってください、そして、ありがとう! と応援しています」


「艦これ」運営鎮守府/総括 田中謙介
広告会社、ゲーム会社を経て、「艦隊これくしょんー艦これー」を制作。プロデューサーディレクターとして開発/運営を担当している。
「艦これ」以前より、「食」や「ミリタリー」を楽しく紹介する同人誌も制作している。