韓国国産ロケット「KSLV-2」、試験打ち上げへ最終段階
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/kslv-ii.php?t=1
鳥嶋真也

韓国航空宇宙研究院(KARI)は2018年7月5日、開発中の新型ロケット「KSLV-II」の総合燃焼試験に成功したと発表した。
KSLV-IIは今年10月に試験打ち上げを予定しており、今回の燃焼試験はそれに向けた最後の関門だった。

当初、韓国はロシアからロケット技術を習得するつもりだったとされるが、
2009年の時点で、ロシア側から技術が得られないことが明確になり、それ以上の発展が見込めなかったことから、
韓国は次世代のロケットを独自で開発することを決定する。

KSLV-IIは高度600〜800kmの地球低軌道に約1.5トンの打ち上げ能力をもち、世界的には小型?中型に分類されるロケットである。
小型の衛星の打ち上げに特化しているため、韓国が得意とする小型衛星ともマッチする。
KSLV-IIでは推力75トンf級の大型エンジンと、7トンf級の小型エンジンの2種類を開発し、
1段目に大型エンジンを4基、2段目に1基、3段目に小型エンジンを1基装着する。

KARIでは現在、今年10月にKSLV-IIの試験打ち上げを行うことを計画している。
この試験打ち上げは、ロケットの2段目のみで打ち上げるもので、人工衛星は搭載しない。
続いて1段目をもつ完成形の開発を行い、2021年の完成、そして初打ち上げを目指している。

韓国の宇宙開発の自立に向けた大きな一歩であることは間違いない。
衛星打ち上げで北朝鮮に先を越された焦りを乗り越え、ロシアとの不幸な関係という回り道を経て、
ようやく正しい道を進みつつある。