今後のアプローチとして、使い捨てロケットで二段燃焼サイクルを採用するのは、
頭が悪い国家/会社のやることだろう。
高度な再利用型ロケットなら、二段燃焼サイクルの性能が生きてくる。

使い捨てロケットでは、シンプル(ゆえに低コスト)な構造のエンジンが最適だ。
ガス押し式は性能が低すぎるのでダメだが、ガスジェネ式やタップオフ式などは合理性がある。

もっとシンプルな(そして本質的に安全な)エキスパンダ式(その中でも最もシンプルなブリード式)
での「大型」エンジンは、これまでどの国でも実現できなかった技術的チャレンジである。
何しろ、「物理的に無理なんじゃないか?」と言われてきた方式なのだから。

もし失敗したら、「だから物理的に無理だって言ったでしょ?」と嘲笑されるリスクもあった。
何と、150トンfという驚異的な大推力を実現しようとは。(試験中だが、既に定格の10MPaを達成)
また、この方式は有人飛行や再利用にも向いている方式だと言われる。
つまり、未来を見据えた方式を採用したということだ。

失敗を恐れずに前向きに開発を進める日本社会の一端を映し出す鏡であると言えるだろう。