平穏な日々を過ごしている時はわからないが、危機に陥った時にその人の
本性が現れる。それはやがて天を駆ける者と地を這いずり回る者へと大きな
隔たりとなっていく。

何世代もの時を要したが月の内部と表面に都市を作り、巨大な宇宙船を何隻
も建造して移住への準備を着々と進めていた。しかし過去の遺恨と考えの相違
から三種族の者達が反乱を起こした。なんとか反乱は鎮圧されて反乱者達は
地球上にかろうじて残っていた陸地へ追放された。だが争乱の中、都市の破壊と
インフラへのダメージは甚大であった。彼らは計画を早め、月の住居から七つの
船団にわかれてそれぞれの新天地を目指して深遠なる宇宙へと旅立った。
それはあたかも花を散らして種子を空中に放出する植物の様に。