ケロシン+過酸化水素という組み合わせは最近では珍しいようだね。
1970年頃にイギリスが独自にブラック・アローというロケットで
衛星を地球周回軌道に打ち上げたことがあったが、
そのロケットが、これらの推進剤の組み合わせを採用したようだ。
効率が良いわけでも無さそうだが、今、これを使うメリットは何だろう?
極低温でなければ、タンクを全てカーボン製にできるかな?

冷却はアブレーション+燃料フィルム、再生冷却用の複雑で高価な部品は不要、
推進剤の供給はガス押し式で、ターボポンプが不要、
姿勢制御は16ある燃焼室のスロットリングで調整するので、ジンバル装置が不要、
単段式なので、2段目本体やステージング用の部品が不要、
つまり、可動部品が少なく、総部品点数も少ないのね。

未だかつて無いほどに、シンプルな機体構造だね。
燃料代も安そうだ。
構造のシンプル化や冷却方式・推進剤の特性などによる推進効率の低下を、
機体の全面的なカーボン化による軽量化と、高効率なエアロスパイクノズルで相殺、という感じか。

こうしてみると、良く考えられてるな。