炭化水素系のメリット
・密度が高いので、燃料タンクを水素よりも小型化軽量化できる
・密度が高いので、タービンの回転数が水素の半分以下で足りる
・逆に低い回転数でも、水素よりも推力を高められる
・燃料と酸化剤の回転数が近く、一軸式にできる。構造を小型軽量化しやすい
・水素と異なり、タンクから気化喪失しないので、水素よりも高温で長期保存できる
・水素よりも燃料費が安い
・メタン/LOXだと、宇宙空間でも温度管理しやすい上、メタンは火星で生成できる

炭化水素系のデメリット
・水素より比推力が100秒以上低い
・ケロシンはススが出やすく、再利用に難がある(メタンではかなり軽減)
・二酸化炭素を出すので、水素にクリーンイメージでは一歩譲る

メタンだと、水素と比較したデメリットが比推力くらいしか無く、
推力の出しやすさと、エンジン・タンクの小型軽量化でカバーできる。
特に1段目では、それによる恩恵が大きい。

逆に水素だと、1段目が能力の割に重たいエンジン・大タンクになってしまうか、
またはその代わりに大きなSRBに頼ることになり、全体的にコスト削減に限界がある。

以上の理由から、世界はケロシンでノウハウを積み、次にメタンLOXに向かいつつある。
しかし日本には炭化水素系のノウハウがほとんど無く、現実的には水素しかなかった。
ただ、LE-9のEBC方式は、もし大推力化に成功すれば、面白い存在になるかもしれない。
こんな理解で合ってるかな?(間違ってたら指摘きぼん)