https://logmi.jp/business/articles/201100
●ネット上で攻撃的になる理由

(略)
荒らしには沢山の種類があるので、どういう心理状態で行動したり反応したりするかはそれぞれ異なります。ではお尻の毛どうとかいうコメントを書き続ける人と、殺すぞと脅すようなコメントを書く人の動機にはどんな違いがあるのでしょうか。

攻撃的な荒らしについてなされた最近の研究では、「ダークトライアド」と呼ばれる特徴との関連性が取り上げられていました。人間性の特徴を的確に捉えた名前です。

例えば「マキャベリスト」というタイプは、何かを行う時に冷徹で手段を選ばない人を指します。
一方で「ナルシズム」は自分への関心が膨らむあまり、他者に対する共感が足りない人です。
「サイコパス」というのも聞いたことがあるかもしれません。心理学者は、より強い反社会的な精神状態と定義していて、共感や罪悪感が欠如しており他者に対して一層攻撃的な傾向を示します。さらに「サディズム」は他者が痛みを感じていることに喜びを見出します。まさに悪い部分ですね。

●荒らしから身を守る方法

では私たちはどうすればインターネットを魅力的で快適なコミュニティにしていき、ネットいじめやひどい荒らしから身を守ることができるのでしょうか。研究者の多くが感じていることは、穏やかなコミュニティであるほど、そこで交わされる会話にも良識が生まれるということです。

これは社会科学における「割れ窓理論」と関連があります。

誰かに窓を割られている場所は再びターゲットにされやすい、という理論です。言い換えれば、悪質な荒らしがはびこっている場所では同じような荒らしが集まりやすい、ということです。一方ですでに良識的な会話がなされていて、そういうムードがある場所では荒らしは行動しづらくなるのです。

しかし極端に良識的すぎる場所では、自由な発言がためらわれてしまいます。たとえ誰かに攻撃的であったり反抗的だと思われるとしても、誰しも自分の発言したいことを発言する権利があると主張する人もいます。オンライン上での良識と匿名性の間には、まだまだ答えの出ていない倫理的な問題がたくさんあるのです。