第2四半期の決算発表会で、豊田社長はこう語った。
「我々のミッションは幸せの量産です」。
一見、フワッとした口当たりのいいキャッチフレーズに聞こえるが、
この言葉の背景には強い思いが込められている。
トヨタの社員だけでなく、関係会社、取引先、ユーザー、
そして日本に暮らす人々を幸せにしていくのだと。
企業である以上、利益を追求するのは宿命だが、
トヨタにとっての利益とは目的ではなく、幸せを量産するための原資、
つまり手段であるという宣言なのだ。
幸せの拡大再生産といってもいいだろう。
それを実現するためにも継続的に適切な利益を出し続けなければならない。
それがTNGA活動であり、次世代に向けた投資であり、
また豊田社長が社内に向けていい続けている「もっといいクルマをつくろう」なのである。
2021年1月8日、豊田章男氏は日本自動車工業会の会長として「今こそ550万人の力を結集すべき」というメッセージを出した。
自動車業界で働く550万人に向けてのエールであると同時に、
より良い日本を作っていくために協力は惜しまないという内容だ。
日本に残った唯一の基幹産業としての誇りや責任感が伝わってくると思う。