【注目プレスリリース】フラストレーションで融解した量子電子液体の発見ー巨大な電荷揺らぎを伴う異常金属相ー / 東京大学
https://research-er.jp/articles/view/77280

発表のポイント:
強い幾何学的フラストレーションを持つ分子性物質(注 1)において、互いの反発力で身動きの取れなくなった電子が量子力学的効果で融解し、”量子電子液体” (注 2)と呼ぶべき異常な金属状態が生まれることが実験的に見出された。

量子電子液体では、電子ガラス(注 3)に特徴的な古典的揺らぎと金属の量子性が結びつき、巨大かつ非古典的な電子の揺らぎが現れることが示された。

観測された量子電子液体相は、フラストレーションによってスピン秩序が融解した量子スピン液体(注 4)の電荷版であることから、今回の発見により、電荷とスピンが絡んだ更なる新奇な状態の発現が期待される。