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だが科学・技術系の有力シンクタンクである情報技術イノベーション財団(ITIF)が発表した最新の報告書によると、米国はロボット導入に関して後れを取っている。
報告書は新たな指標を用い、各国の製造業におけるロボット導入率(国別・業種別の平均賃金水準に基づく調整後)を比較した。
それによると米国は他の先進国に比べ、産業用ロボットの導入が予想導入率を大幅に下回っている。

 これに対し、中国はどこよりも急速にロボットの導入を進めており、10年以内に賃金調整後のロボット利用率で世界首位に躍り出る可能性がある。

 個々の労働者がロボットの恩恵を受けるという見方は、直観に反する気がする。
というのも雇用が減るのは事実で、自動化導入後にどんな仕事があるのか予想がつかず、ましてや労働者に必要な訓練のしかたも不明だからだ。

 だが、コンピューターが産声を上げた第2次世界大戦中に、北米で2022年までにサイバーセキュリティー要員が26万5000人足りなくなると誰が想像できただろうか。
あるいはアマゾン・ドット・コムにとって、同社独自の「プライムデー」がブラックフライデーを超える大型セールの日になるとは誰が予想できただろうか。

 シノベーション・ベンチャーズの創業者でグーグル・チャイナの元代表、李開復(リー・カイフー)氏らは、現在の自動化の波には先例がないとし、電気や蒸気が登場したのと同程度の大きな波が、はるかに急速なペースで進むと主張する。