ロボット化の波に乗るには:現実を直視せよ
急速に進む自動化、出遅れる米国
https://jp.wsj.com/articles/SB12063094083892523624104584625662715319216

 ロボットは恐らくわれわれの雇用を奪うだろう。一方で、ロボットを歓迎することで労働者は最大のメリットを享受できるという証拠も明らかになりつつある。

 ロボットの数が多い国ほど国内総生産(GDP)は大きく、国民の平均的所得水準も高い。反対に、自動化に逆らう国は富を創出する機会だけでなく、新たな雇用の機会も失っている。

 今後20年間にコンピューターやロボット、人工知能(AI)が今ある仕事の半分を消滅させるかもしれないという当たり前の懸念を踏まえると、これはおかしな考えに思えるだろう。
また、ロボットがどんな仕事にも向いている訳ではないし、使われていないロボットは季節労働者やオンデマンド式の人材よりもコストが高くなりがちであることを踏まえれば、企業経営者の目には無理のある議論に映るだろう。

 大半のエコノミストは自動化が最終的には雇用を増やすと主張する。だがデトロイトの自動車工場で働く組立工にはほとんど慰めにならないかもしれない。
短期的には仕事は間違いなく減り、大抵は痛みを伴うばかりか、その影響がいつまでも続きかねない。だが経済全体への効果として、自動化は財・サービスの価格を引き下げる。
人類はこれまで余剰資金の使い方について限りない独創性を発揮し、新たなビジネスに結びつけ、やがて雇用が増えることを立証してきた。

ロボット立国米国では製造業の労働者100人につきロボット2台だが、その比率が3倍の国もある製造業の労働者1万人あたりのロボット台数(2017年)Source: International Federation of Robotics