ミトコンドリアによる呼吸は副産物として活性酸素種(ROS)を発生し、
その作用でmtDNAはしばしば突然変異をして“変異型”になります
加齢に伴い変異型が蓄積すると、
細胞内で正常型と変異型が混在した
「ヘテロプラスミー」状態になっていきます
そして、変異型の比率が一定以上になると、
ミトコンドリアの機能が低下し、
脳卒中、精神病、認知症、心筋症、糖尿病などを含む
“ミトコンドリア病”を発症します
一方、健康な新生児のミトコンドリアは、
ほぼ全てが正常型で占める「ホモプラスミー」状態となっています
遺伝の過程で起きるヘテロプラスミーからホモプラスミーへの初期化は、
酵母からヒトまで共通にみられますが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)では
ミトコンドリアの初期化は起こっていないこともわかっています