>>762
――『Detroit』の作中では、AIやアンドロイドで豊かになる半面、失業率の増加という闇の部分も描かれていました。

三宅氏:もちろんありえない話ではありませんが、仕事というものはAIがなくてもどんどん変わっていくものです。
1975年〜1995年の20年間でコンピューターが普及し、さらにそこから20年かけて1995年〜2015年にインターネットが浸透。
2015年からまた20年をかけて、2035年にはAIが完全に普及する。このように、20年刻みで社会は変わっていくと思っています。
その過程で仕事が消えることはあると思いますし、現にコンピューターやネットができた時に消えた仕事もあるでしょう。でも、AIのときほど騒がれてはいないんですよね。

AIがなぜ騒がれるかというと、単なるコンピューターではなく、アンドロイドのような人型をイメージしやすいというところがあるかと思います。
人型であると、人ができる仕事は全部取って代わられそうな気がしますし、一見話が通じそうなので、不満や不平を口にしやすいのではないかと。
『Detroit』でも、アンドロイドに手を出す失業者たちが描かれていますが、これがサーバー型のAIとかだと標的にはならないと思うのです。

「失業者が出て、AIが迫害される」という話はいろいろなところで聞きましたが、『Detroit』でそれを体験できるというのは、ゲームならではのすごく良いところだと思います。
失業者に道を塞がれたり、バスでアンドロイド専用エリアに押し込まれたり、こんなことってゲーム以外では体験できないですよね。