人の最高寿命、まだ「上限」に達していない可能性 研究
http://www.afpbb.com/articles/-/3180492
【6月29日 AFP】人の最高寿命は既に限界に達したのだろうか? 28日に発表された研究論文によると、その答えは「おそらくまだ」だと考えられるという。
100歳以上のイタリア人数千人を対象にした今回の研究では、人の寿命がゆっくりと延びているともされた。

科学者らは長い間、人の寿命は限界に達したのかという問いをめぐり論争を続けてきた。
2016年に英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文は、フランス人女性ジャンヌ・カルマン(Jeanne Calment)さんが1997年に史上最高齢の122歳で死亡したときがその頂点だったと論じた。

 だが米国の科学雑誌サイエンス(Science)に掲載された新たな研究論文では、人の寿命が延びた可能性があり、また今後も時間と共に延びていく可能性があると指摘された。
イタリアの高齢者3800人以上を対象にしたデータに基づくと、105歳を過ぎると死亡リスクの上昇率は緩まり、頭打ちにさえなるという。

論文の共著者で、米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の統計学教授のケネス・ワクター(Kenneth Wachter)氏は、AFPの取材に
「年を重ねるにつれ、人の健康と死亡リスクは加速度的に悪化する。だがかなりの高齢になると、その悪化が止まる」と述べ、「良くはならないが、悪化が止まり、横ばいとなる。これはプラトーと呼ばれる」と続けた。

このことが示しているのは、後年に生まれた人ほど少しだけ長生きだったということだ。
「105歳を超えたプラトーの水準で見られる、時の経過に伴う緩慢だが明確な向上は、現状では寿命の固定的な限界がみられないという希望をもたらすものだ」とワクター教授は語った。