スーパーコンピューター開発会社「ペジーコンピューティング」を巡る国の助成金詐欺事件で、
同社が助成金を含む約8億円の所得を隠し、その一部を関係会社が抱える車のレース事業の
損失穴埋めに充てていた疑いのあることが明らかになった。
知人証言からは、ペジー社代表取締役・斉藤元章被告(50)が関係会社に多額の資金を投入し、
レースに傾倒していた様子が浮かび上がる。

「斉藤被告が趣味のために作った会社。利益度外視で資金をつぎ込んでいた」。
斉藤被告の知人男性は、電子部品を開発するペジー社の関係会社「ウルトラメモリ」(東京都八王子市)の前身、
「EMSマネージメント」についてそう語る。
男性によると、医師だった斉藤被告はイタリアの高級車「フェラーリ」など外国産高級スポーツカーの収集を
趣味としており、2006年5月、「レーシングチームを主宰したい」と知人を誘って同社を設立させた。
当時の法人登記簿の事業目的には、「レーシングドライバーのマネージメント」
「国内・海外レーシングチームの管理運営」「レース参戦」など、自動車レース関連の事業が並ぶ。