2017.8.21 06:55
細菌のDNAに動画記録 ゲノム編集で再生にも成功 米ハーバード大チーム


 生物の遺伝情報を自在に改変できるゲノム編集技術を応用し、生きた大腸菌の
DNAに動画データを記録し再生することに米ハーバード大などのチームが成功した。

 英科学誌ネイチャーに発表した。

 DNAは塩基と呼ばれる4種類の物質が連なっている。
 塩基は文字に相当し、複数の組み合わせ配列で遺伝情報を表す。

 同大のセス・シップマン研究員は、馬が人を乗せて走る様子を映した数秒の白黒動画の
デジタルデータを、4種類の塩基の並び順で表した人工DNAを作成。

 ゲノム編集技術「クリスパー・キャス」を使って大腸菌のDNAに組み込み培養した。

 その後、DNAを取り出し解析。
 塩基配列から動画を復元したところ、約90%の精度で再生に成功した。

 再生に失敗したノイズ部分は大腸菌が世代交代でDNAを複製する際、一部で
エラーが起きるなどして生じたとみられる。

http://www.sankei.com/life/news/170821/lif1708210009-n1.html

ゲノム編集技術で生きた大腸菌のDNAに記録された後、再生されたアニメーションの1コマ(セス・シップマン氏提供)
http://www.sankei.com/images/news/170821/lif1708210009-p1.jpg