ヘリコプターマネー 単行本(ソフトカバー) – 2016/11/25
井上 智洋 (著)

第五章ではヘリコプターマネーの実施方法についての解説/提言がなされている。まとめると、
「先人の努力&技術進歩の経済外部性相当分(&現在の研究者・技術者)」→「技術進歩」→「貨幣発行」
→「貨幣発行益」→「ヘリコプターマネー」→「ベーシックインカム(ベッカム)/国民配当」というお金の流れを提案している
(貨幣発行益:発行貨幣額−発行コスト、「技術進歩」→「貨幣発行」の流れについては本書の第三章)。

また著者は、このようなお金の流れ――貨幣発行益を主として国民が享受する流れ――へと切り替えるために「100%準備制度」(すなわち信用創造の禁止)の導入も提案する。
というのも、
現状における貨幣発行益の主たる受益者は民間銀行であり、それは信用創造によって実現しているからである(信用創造についてはWikipediaなど)。

最後に著者は、今後の人工知能――この単語を帯に入れておけばもっと売れたに違いない――の発達にともない、よりいっそうこのような貨幣制度(ヘリコプターマネー+100%準備制度)が必要になるだろうと予測&説明し、
AI(Artificial Intelligence)のためにもBI(Basic Income)とCI(Currency Innovation)が必要であると述べ本書を締める。DI(Deeply Inspired)。