長引く不況の原因は何か。それは日本人が働かないからである。
そんな持論を、2013年10月26日の東京新聞のコラム「つれづれ」で、
さだまさしが展開している。

「働かずに栄えた国」は歴史上存在しないのであり、世界中が
『日本人は働きすぎだ』というなら、『お前たちは働かないから駄目なんだ』
と言い返してやらなきゃならんのである。
現在の不況の原因の一つは『働かないから』であり、
日本の飲食店が昼に休憩を取るようになってからこの国の経済は動きが鈍くなった。
客が来ない午後の時間帯に休めば、パートのおばさんの時給八百円の三時間分の
二千四百円を支払わずに済む。
しかし、休まずに営業すれば三千円以上稼げる日もあるはずだ。
何よりこの、パートのおばさんの二千四百円は、おばさんの家の家計には大きい。
それが毎日二千四百円減るわけだから実体経済に影響しないはずがない。
お惣菜一つ、おかず一つ吟味せざるを得ぬわけで、結果安い物だけを有難がるようになる。
これ、デフレを促進していないか?
仮に一万人でも一日二千四百万円が動かない。
週四日で計算したら九千六百万円。年にすれば五十億円弱。
もしもおばさんが十万人なら、ああオソロシイ。
計算上一年間で実に五百億円近く、本来動くはずのお金が死んでいることになる、
と考えるだけで肌が粟立つのである。