強い人工知能(AI)への道。
@脳の構造を必ずしも忠実に再現する必要はなく、現行のコンピューター上で知能を上手くプログラミングしてやってしまおうとする手法。
(伝統的な手法で現在も主流)
Aスーパーコンピューターでとにかく人間の脳を神経細胞(或いは分子)単位から出来るだけ忠実にシミュレーションしてしまおうとする手法。
(欧州のヒューマン・ブレイン・プロジェクトなど)
B神経細胞型のチップなどを開発して脳をハード面から直接作ってしまおうとする手法。
(IBMのTrueNorthや、>>286など)

この3つが強いAIを完成させるかもしれない研究の三本柱。
あるいは最初の強いAIはこれらを組み合わせたものかもしれない。
例えば意識の部分はスーパーコンピューターで、その他の機能を一番上手くいくプログラミングで賄うといった具合に。

現在の日本での研究は。
@は当然日本でも主流。
Aは2013年に京を使って17億3,000万個の神経細胞が10兆4,000億個のシナプスで結合された神経回路のシミュレーションをやった。
ただし、これでも人間の脳の1%程度で時間もおよそ2400倍かかったと言う。
http://www.riken.jp/pr/topics/2013/20130802_2/
http://gigazine.net/news/20130806-simulating-1-second-of-real-brain/
ただ、信号処理速度は脳よりコンピューターの方が圧倒的に速いので、エクサ級スパコンが出来れば大きな進展があるかもしれない。
Bは日本では今のところカオスニューロコンピューターだけ。
http://j-net21.smrj.go.jp/develop/digital/entry/001-20090325-11.html
http://www.keyman.or.jp/at/30002644/
これは脳に見られるカオス現象をより正確に再現するため、脳と同じくアナログで動作するチップを使ったコンピューター。
このコンピューターで興味深いのは動的連想記憶が再現されていて、何も指示が与えられていない時でも、
覚え込ませた記憶を次々と連想的に“思い浮かべる”動作をしていると言うこと。
人間も何もしていない時でも無念無想な訳ではなく、特に意味もなく記憶を連想的に思い浮かべている。

カオスは脳活動に普通に見られる現象でもあるため、脳のシミュレーションするにしてもカオス的要素も再現する必要があるかもしれない。