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2019/10/20
果てしない、地震予知の夢 「AIで予兆をとらえる」に挑む科学者たち
https://globe.asahi.com/article/12806307

■AIで地震は予測できるか
ひょっとして地震の大きさや時期が予測できるかもしれない、という研究が米国で進んでいる。
2017年、米ロスアラモス国立研究所のベルトラン・ルエ=ルデュック氏やポール・ジョンソン氏らが
「実験室での模擬地震の時期と大きさを予測できた」という研究結果を発表したのだ。
「結果を見たときは、驚きました。ここまで予測できるものかと」。米ペンシルベニア州立大学で地震の物理の研究を
手がけてきたクリス・マローン教授は、そう振り返った。教授は、ルエ=ルデュック氏らの研究に実験データを提供していた研究者だ。
模擬地震の実験は3枚の石片を縦に並べ、両側から圧力をかけて真ん中の石片を滑らすもの。これで断層が滑る様子を再現し、
そこから発生する微小破壊による振動(Acoustic Emission)を、さまざまな周波数の音波として取り出した。
その結果を機械学習で解析したところ、地震発生と音波のつながりに一定のパターンを見いだすことができたのだ。...

これまでの実験では、人間は地震の前兆として突発的に、急に出てくる信号の動きに注目していた。
そして地震をうまく見通せる前兆は見つけられないままになっていた。
だが、機械学習が見つけたことは、継続的に、背景にずっと出ている信号のほうが重要らしいということだった。
人間が「ノイズ」だと思っていた信号だ。
地震は小さな地震も大地震も、起こり始めは同じだと考えられている。それが結果的に大地震になるか、
小さな地震で終わるかを分けるのは、そのときの断層などの地下のコンディションだ。
人間が「ノイズ」とみなしてきたこの継続的な信号は、その地下のコンディションのなにかをとらえていて、
地震の大きさやタイミングを示せるのではないかと考えられるという。
とはいえ、これが現実に大地震を予知できることにつながるかと言えば、まだよく分かっていない。
実験室の地震と、実際の地震には大きな違いがあるのが現実だからだ。