3Dプリント臓器の商用化まであと数歩
http://jp.techcrunch.com/2019/08/13/2019-08-11-3d-printing-organs-moves-a-few-more-steps-closer-to-commercialization/

生きた細胞を使った血管組織のプリントに成功したことで、3Dプリント組織の開発が加速され、最終的には、わずかな細胞のサンプルから臓器が作れる可能性が見えてきた。

Prellisの新たな成功は、血管組織構造体を研究機関に販売する商用化までのタイムラインをスピードアップさせるものだ。
そしてそれは、血管付きの植皮、インシュリンを生成する細胞、人工透析を必要とする患者本人の組織から作った血管シャントへの展望も開けたと、Prellisの共同創設者でCEOのメラニー・マシュー(Melanie Matheu)氏はインタビューの中で話していた。

生きた細胞とヒドロゲルを組み合わせたプリントによる構造体は、動物の細胞増殖の足場(スキャッフォールド)を提供するように作られている。
スタンフォード大学と共同で進めてきた研究で、Prellisは、わずか20万個の細胞を使って、動物に完全に腫瘍を移植できるようになった。同社によると、通常の腫瘍移植で必要になる細胞の数よりもずっと少ないとのことだ。

同社はこうも強調している。8週間で、彼らは透明な構造体の中に最大50ミクロンの分岐した血管を発見したのだが、これは、その動物の血管系が、その循環器系にスキャッフォールドを受け入れたことを意味するという。

創薬への応用だけでも数十億ドル単位の市場になると、マシューは言う。しかし、同社が最終的に目指しているのは、完全に移植可能な3Dプリントによる臓器だ。まずは腎臓から始める。今年末までには、大型動物を使った移植実験を予定している。

「これまでも今後も一環して私の目標は、人のドナーから臓器を調達した場合とコストを同等にすることです」とマシューは言う。