蟻。
ただし「真空凍結に耐える卵」あり。
窒素固定能力のある木と窒素固定菌、その葉を栽培するためのキノコの胞子、
そして特殊な蛾と共生する。

その蛾は小型で、カイコ同様野生生活力がなくアリに飼われる。
幼虫時代はアリ幼虫の分泌物を食って育つ。
成熟すると、繭を作ろうとして進化的にプログラムされた失敗
をする…とことん長い糸を吐いてクモの子のように高く飛び立つ。
吐き終えたら脆い膜に守られた蛹、すぐに羽化して羽根のない蛾となり、
すぐに交尾して胎内に大量の、真空低温に耐える卵を作って死ぬ。

無論窒素固定木の種、窒素固定菌の胞子、キノコの胞子も真空に耐える。

その、いくつもの、どれも極小の種・卵・胞子を抱えて高く飛び立つ
強靭な糸は、上空で電気的に静電気を生み出し、地磁気線に乗って宇宙まで飛び、
あとは太陽自体の電磁気力によって宇宙まで…

物理法則・生物そのものは全くこれを禁じていない。
そしてどこの星にも大規模な生態系を移動させることができる。