拙者、剣術道場(じむ)の帰りの、汗で溶けた化粧に乱れ髪にて
越後屋に参ったことがござる…かような落ち武者の如きなりで
「防水ますからを所望す」と告げられし越後屋番頭もさぞや驚いたであろう
実に相すまぬ事をした
大きな道着入れを持っていた故、道場帰りである事はお察し頂けたはずと思いたい