麿は聞いたのでおじゃる
殿上人は かみをば染むるのがいとをかしと
ゆゑに 麿はかみをば 常盤色に染めたのでおじゃる
まことにみやびやかな色にて 麿の好みに合うたのでおじゃるぞよ
けれどものう 眉がこまったのでおじゃる
そこで めいべりんの眉ますからなるものを購入したのでおじゃる
すると 眉が はなはだ濃き緑になりすぎたのじゃ
よってしかたなく 眉がしらのほうに 濃き緑をいれて
眉尻には びせ の あっしゅいろをいれたら
なにやら もののあはれを かんずる色味になりて
麿は 満足したのじゃ