水素には二つの問題がある。

1) 水素はそれ自体がエネルギー源ではなく、外からエネルギーを注入して水から作り出さなけ
ればならない。今のところ、作り出すときのエネルギー効率が燃料電池を用いて六割から七割。
燃料電池を用いて水素からエネルギーを取り出すときも同じような効率になので、往復のエネル
ギー効率は四割台と五割を下回る。これなら自然エネなどで発電した電気を直接使ったほうが
はるかに効率が良い。

2) 水素分子は最も小さい分子なので取り扱いが半端なく手間がかかる=コストがかかる。宇宙
に打ち上げるロケットの液体水素は大気圏を出た後太陽の直射日光で結構な量が蒸発してゆく、
金属製のタンクなのに。日本のH2ロケットはこれを減らそうと大気圏を出た後は回転して太陽光
の照射を均一にしている。それでもある程度蒸発してゆく。