石油無機起源説は本当だよ。
それを実証しているのが、可採埋蔵量3000年分のシェールオイル。

シェールオイルと石油の違いは、掘り出される地層のみ。
本質的な成分はほぼ同等で、だから、従来の石油精製施設ですぐさま商業化できた。

なお、石油を化石燃料としたのは、昔、有機物が生物由来からでしか作り出せないと誤解されていたため。
だから、有機物という名前にもなった。逆に生物とは無関係に存在でき切ると考えられたものは無機物と呼ばれた。
ギリシア時代などでは、石や水を無機物としていたようだ。
石油はそれ以前から存在していたが、粘性や燃えるといった特性から有機物として扱うようになった。
そして、有機物は生物からしか生み出されないと考えられていたから、太古の生物の遺骸=化石燃料として扱わざるを得なかった。

シェールオイルは生物の痕跡がまるで見られない大深度地下から採掘できる。しかもその可採埋蔵量は莫大。
宇宙探査の結果、土星の衛星タイタンにはメタンの海が実際に存在した。(人工衛星カッシーニの探査により立証)
とにかく掘れば出るという主張を最初にしたのは元素周期表で有名なメンデレーエフ。彼の分析に従いソ連は原油を生産していた。
20世紀末以降、この考えを推し進め、ロシアと東欧諸国では大深度地下の掘削を進め、ロシアは世界2位の産油国に。
ロシアの国土の広さと未開発ぶりを考えれば、まだまだ、いくらでも掘り出せるだろう。
アメリカは、第二次世界大戦後、国策上原油の輸出を禁止していた。(有事に備えた自国の保護措置。これは割と有名な話。)
そこでメジャー開発の原油を世界に売りさばくため、中東の権益を重視していた。
ところが、シェールオイルが無制限に採れることがわかってしまい、シェールオイルに限っては禁輸措置を廃止。日本にも売る。
油田について、枯渇した油田を放置しておくと、その後、また石油の採掘が可能になる例が知られていた。
要するに、油田というのは、シェールオイルの溜まり場に過ぎないのではというのが最近の趨勢。

シェールオイルはアメリカ以外、中国ロシアヨーロッパなどで、相次いで発見されている。
その共通点は分厚い大陸性地殻があること。
つまり、大陸性地殻がある土地ならば、その構成は一部がシェールオイルにより形成されると考えられる。その気になればアフリカでも南極でも掘れば出るだろう。
だが、日本でだけは出ない。
日本は付加体といって大陸性地殻の構造というよりは、海洋プレートの端にプレート移動時のゴミが堆積してできた土地。
そのため、日本は大陸性地殻ではなく、だれだけ掘っても日本でだけはシェールオイルが採れない。