■スイス:集合住宅へのハイブリッドコレクター進出

近年スイスでは集合住宅の分野でハイブリッドコレクターの利用例が着実に増えてきている。
ハイブリッドコレクターとは、一枚のパネルの表側が太陽光発電、裏側が太陽熱温水器になったもので、
限られた屋根面積を発電と熱獲得の両方に使うことができる。また、太陽光発電パネルの背面から熱が取り除かれるので、発電効率が上がるのもメリットだ。

高温のお湯を作る通常の太陽熱温水器と異なり、ハイブリッドコレクターでは中〜低温の温水が作られる。これをヒートポンプで温めて給湯や暖房に使う。
スイスでは、一般的に普及している地中熱ヒートポンプと組み合わせるケースが多い。
その場合、夏の余剰な太陽熱を地中に貯めておき、冬に用いることができる上、従来的な地中熱利用が抱える地中温度の低下という問題も解決できる。
またハイブリッドコレクターは、断熱性能が高く、低温水で床暖房を行う新築の建築物との相性が特に良い。