CO2削減の切り札?再エネの拡大は可能なのか
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20210819-00253930

2020年のバイオマス発電導入量は、451万kW。このうち木質系が184万kw。バイオマス発電所は、2020年9月時点で計446基(木質以外の発電も含む)稼働している。
2030年にバイオマス発電の目標値は、602〜728万kwだが、木質系は335〜461万kw。木質系に絞ると、現在の1.8〜2.5倍にしなくてはならない。これだけの規模にするには発電所がいくつ必要だろうか。単純に比例させると1000を超えるかもしれない。これは可能な数字だろうか。

輸入バイオマスはもう限界
 ここで考えなくてはならないのは、燃料である木質物をどこから調達するか、である。
 一般に5000kw級の発電所の場合で年間6万トン、約10万立方メートルの木材を燃やす。これがどれだけの量かというと、日本の年間木材生産量は、現在大雑把に見積もって約3000万立方メートル。これを10万立方メートルで割ると300。つまり300の木質バイオマス発電所分の木材ということになる。
 つまり生産されている木材を全部燃やしても、今ある446基分を稼働できない計算になる。
 しかも近年は1万kw級以上が増えている。また石炭との混焼による5万kW、11万kW級といった大型バイオマス発電所も登場した。
 どう考えても国内で燃料の調達は不可能だ。