■■読まずに死ねない古典オンライン読書会(1)■■

☆ プラトン『クリトン』2020年2月☆ーーーーーー☆

・この月末【2020年1月】、さらには今年【昨年】末に向けて、英国のEU離脱がかなりスムー
ズに進行してゆきます。英国病と言われたのは過去ーー。
 今は世界で最も借金とデフレが酷いのに誤魔化しで堕ちゆく国の姿を日本病と揶揄されてい
るのに、当人たちの多くは気づかずーー。

・カルロス・ゴーン氏を容疑者としか呼ばぬ思考停止(当局の広報でしかない)のマスコミ
(日本限定)は捨て置くとして、巨大な犯罪組織=地検特捜部の罪は誰も問わない不思議な国
ーー。

・ソクラテスは「悪法も法」としたとされ(明言は見当たりません)、ひどい冤罪で囚われ毒杯
をあおります。ソクラテスが自決し、ゴーンがレバノン脱出に成功した最大の分水嶺は、年齢
だと思われます。ソクラテスには残された命の長さはなく、ゴーンには世にもバカげた裁判を
長期化されるのは100%確実な状況で、唯一の復活劇にチャレンジできました。大きな声では言
えませんしマスコミに付き合うつもりはないので、レバノンに「時の人」から請われて会いに
行ってきたことだけお伝えします。オフレコとかそんな甘っちょろいものではありません。

・ソクラテスやプラトンを読み始めたのは10歳からです(私の母語は日本語ではありませ
ん)。周囲から強く勧められた1冊が、プラトン『クリトン』でした。

・ご存知かと思いますが、最晩年を迎えたソクラテスが、友人であるクリトンとの間で交わし
た対話の内容をのちに(ソクラテスの)弟子であるプラトンが書き記した古典中の古典が『ソ
クラテスの弁明』や『クリトン』です。この古典読者会の(リアルな)初回に読んでいただい
た『ソクラテスの弁明』の続編という形になっていますけれども私は「悪法も法」の一般論は
当然としても冤罪や違法逮捕に対してまで適用するのは大いに疑問というより無知すぎます。
エビデンスのある反論は大歓迎です、もちろん。独立した名著としての『クリトン』を1〜2月
の課題本にいたします。ご理解のほどをーー。

・国家が無実の者を死刑に処するために牢獄に繋ぎ止めておくという不正をソクラテスに対し
て行なっているのですから、そのような国法に基づく不当な判決には従わずに、脱獄して共に
国外へと逃げのびるべきだとソクラテスを(クリトンが)説得することになるのです。結論
は、その試みは失敗に終わりました。

・自ら法律を破って脱獄と逃亡を図ることは、明らかに不正の一つであると考えた(ように見
える)ソクラテス。
「悪法も法」かどうか50年間も考え続けできた者として前述したように、ソクラテスに脱法や
薄汚い特捜部と、刑訴法違反の容疑段階でしかないのに独房と代理監獄と家族との面会禁止な
どの犯罪にはほとんど誰も触れず、同時に、彼らの年齢のことを述べません。

・カルロス ゴーン氏は明言しました。「2018年11月19日に逮捕されたときに1回死んだよう
な気持ちになった。残された人生は少ないと痛感した。理不尽なシステムに拘束されてしまい
麻痺している状態だった。出国できたとき、また生き返ったのです」

・年齢の問題をメインに据えて、『クリトン』を読んでのオピニオンをお聞かせください。「悪
法も法」かについて述べると1冊を要するように思えますが、これも短文で圧縮されるのは超
大歓迎です。

・励ましてくださっている方々への御礼を心からーーセブ島よりーー込めて!!

・締め切り 2020年2月29日23時59秒

・Amazon:『ソクラテスの弁明 クリトン』(岩波文庫)