第4ーー私はロシアが好きになれない。何度も何度もロシア(旧ソ連)やシリアなどを行
き来して、文化があまりに異なることも知悉(ちしつ)している。西側インテリ(笑)に開
放されたゴルバチョフ時代の市民集会ですら、発言のキツい婦人を黙らせるために平気で
注射を打って気絶させるのを私は見た。ひえ〜。
 だが、国際情勢や軍事分析は、好き嫌いで論じてはならない。当たり前だろう。まず、シ
リア内戦を米英仏はロシアに丸投げ(全面委託)した事実は、最も重要な経緯である。アサ
ド政権を、ロシアさえ扱いかねている。米国は扱いきれなかった。
 簡単にいえば、反アサド勢力は主に4勢力あり、そのすべてが「イスラム国」および「イ
スラム国と内戦を続けるテロリスト集団」であるからだ。
 かつてアサド政権を作り上げた米英仏が、かつてのイラクやリビアなどと同様、アサド政
権打倒(テロリスト支持)に動き、シリアがテロリスト集団の紛争の場と化して8年がすぎ
た。ロシアは現政権を支持する形、米国は逃げたのである。米国大統領が変わったからとい
って、アサド政権をどうするか、に本来軍事介入権のないトランプ大統領が「施設そのもの」
に空爆を行なうとは?