トヨトミの野望 講談社(Kindle版は小学館?)

まあ、出版社などどうでもいい けっこうな話題作だったらしい
トヨタの内幕が詳細に描かれていて、興味深い
小説家としての能力は5段階で1か2というお粗末なもの
フィクションを装ったノンフィクションだが、ある意味、禁じ手に近い

2016年の時点で、社長に「2030年までにガソリン車を全廃し、
全て燃料電池車に置き換える」などと言わせているが、
先月、政府筋が2030年代半ばまでにガソリン車の販売禁止の方針を検討していると
いう観測記事が流れるや、アキオが自動車業界のビジネスモデルが崩壊してしまう
と懸念を表明し、水面下では凄まじい抵抗を始めたことが透けて見える

一介の覆面作家とはいえ、世界の自動車業界のことを調べた上で、
欧米では遅くとも今世紀半ばまでにはガソリン車は販売できなくなるのは決定的
との確信をもっているのだろう 作家ごときにも劣るトヨタの経営・技術陣

続編の宣伝のためにUnlimitedに入っていたが、今は外れている
続編の評価は悪くないが、つまらなくなったという声も多い
フィクションとノンフィクションの違いがはっきりした以上、
この作品にもトヨタにも何も期待できない