>>123 >>105
東日本大震災:「ゆっくり滑り」本震前に2度
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120120k0000m040195000c.html
 東日本大震災を引き起こした3月11日の地震(マグニチュード=M=9.0)の発生前に、震源に向かって
「ゆっくり滑り(スロースリップ)」と呼ばれる現象が広がっていたことを、東京大地震研究所のチームが突き止めた。
ゆっくり滑りは、体に感じないほど弱いが微小な地震を引き起こし、これが積み重なって前震やM9.0の本震の
引き金になった可能性があるという。成果は、20日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表された。
 巨大地震が起きる前には、前震などの前兆があることが知られているが、その前にゆっくり滑りが確認された
のは初めて。
 本震は、三陸沖の日本海溝で海側のプレート(岩板)が陸の下に沈み込み、蓄積したひずみが一気に解放されて
起きた。東大地震研の加藤愛太郎助教(地震学)らは、2月中旬から本震までの間に震源近くで起きた地震を
詳細に分析するため、気象庁のデータベースにある333個の地震に加えて、新たに1083個の微小な地震を確認。
合計1416個の波形を細かく調べた。
 その結果、地震の震源が南の方へ移動していく現象が2月中旬〜下旬と、3月9日の前震(M7.3)後の2度に
わたって確認された。2月中旬〜下旬には、震源が移動する速さが1日平均2〜5キロだったが、前震の直後から
11日までの間には、同10キロと加速していた。
 地震の特徴から、チームはゆっくり滑りが起きたと判断した。一連のゆっくり滑りを一つの地震と見なすと、
M7.1の地震に相当するという。
 すべての巨大地震の前にゆっくり滑りが起こるとは言えないため、地震の予知には直接はつながらないが、
加藤助教は「ゆっくり滑りが起き、その先にひずみがたまっていれば地震が引き起こされる可能性があることが
確認できた」としている。