>>821
ベッドがY方向に動くタイプ、ですが、この構造特有の問題があり、指摘の通りです。
Y軸のモーターはベッドを十分に駆動できるだけのパワーがあるように選ばれています。なので造形はできます。
しかしながら、重量のあるものを前後に揺らし続けるわけで、プリンター全体も揺れます。
揺れた結果、造形物表面にリンギングが出ます。大きな重量を動かした結果、振動が起こり、その振動が減衰する様子が造形物表面に残ります。
Y軸に繋がっている重量の多くはヒートベッドのアルミ板とそれを支える構造物、ガラス板なので、ベッドのサイズが小さい方がリンギングは少なくなり、振動減衰も早いので造形物表面の品質は高くなります。

私が良く知っているモデルで書きますが、
CR10S5 500mmx500mm のベッドサイズ、造形表面はとても汚く、リンギングが明確に解ります。CR10シリーズの中でもS4(400mm x 400m)と共にオススメできないモデル。
どうしても巨大な造形物を作りたい特殊用途でなければ。

CR10 300mmx300mmのベッドサイズ 表面に出るリンギングは中程度 印刷速度を遅くすれば多少は改善しますが、残ります
ただ、他のプリンターとの比較を行うと、価格と品質のバランスは良いと思います。

CR10 Mini 造形サイズが更に小さく、A4程度の面積になります。その代わり、CR10よりも表面がきれい

Ender2 これはベッドサイズが 150mm x 150mm で CR-10の4分の1の大きさです。リンギングはほとんんど感じられません。
むしろ、元の造形物のポリゴンがカクカクしている方が気になる場合があります。
Ender2 のY軸可動部は軽いので、X軸モジュールのガントリーを移動させるよりも合理性があると思います。
また、ゴム足が無く、Y軸のアルミ角材が厚いアクリル板(本体下面全部)に取り付けられていますので、しっかりしたテーブルの上で使うと本の揺れは感じられません。本体重量も軽いですし。

このように考えていくと、Ender 2 で印刷可能なサイズは Ender 2 で、Ender2を超え、CR10 Miniで収まる場合には CR10 Miniを、のようにすると、造形したい大きさで良い印刷結果が得られます。
印刷速度を落とすと、どの機種でも印刷品質は向上します。

造形物の高さが高くなるとふらついてうまく印刷できなくなります。特に、底面の面積に対して高さの比率が極端に高い物は。例えば、割り箸を垂直に印刷するのは困難。
スライサーの設定で、1レイヤーの印刷後の待機時間、あるいは1レイヤーにかける最低時間というものがあるようなので、これらの調整で改善するのかもしれません。

X軸とY軸でヘッドが可動し、Z軸が上下にしか移動しない機構の場合は、X軸とY軸の機構の質量の加減速によりプリンター全体が揺れます。
なので装置全体を箱状にして、剛性を高めるために各面に板材を取付補強するなどされていますね。個人用としては高すぎますが、Ultimaker 3 等完成調整済みのモデルはほぼこの構造ですから、性能上限が高い構造だと思います。