昔、とあるニッチ製品メーカーの機械制御はリレーシーケンスだった。
ある日、一人のマニアがマイコン制御化した。
会社は成長し、製品に対するニーズは高まり、より多くの機能・性能が求められた。
多重割り込み程度ではバグだらけでデバッグも難しく、市販OSもニッチ商品故に手が出せなかった。
社で定期購読させてもらっていた専門誌やフリーランスからのアドバイスなどを手掛かりに
自作マルチタスクを標準化し、人員を増し、手分けしてソフトを作れる環境を構築した。
自社製品・他社委託品を生み出しながら、8bit、16bitを経て、今では32bitマイコンで
ライセンスフリーなRTOSを標準とするようにまでなった。

その技術者が定年するときに苦労をねぎらうと、
「趣味を好き勝手にやらせてもらって楽しかった」と笑っていた。