幻実の阿呆がいう「抵抗値は抵抗値ではなく抵抗率」は全くの誤りとも言えない。但
し、相対論的な電磁気学の世界での話しになる。大多数の電気屋では理解してないレベ
ルの話になる。

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相対論的な四元ベクトル空間で考える電磁気の世界では電圧:V が基本になる。電圧:V
スカラー量は、四元ベクトルの 0th 成分になる。そして残りの 1th,2th,3th 成分がベ
クトル・ポテンシャル A になる。

一般的な文献ではベクトル・ポテンシャルは A と書かれるが、電流・ベクトルと混同し
やすいので、以下では Ap の記号を使うことにしよう。

ベクトル・ポテンシャル Ap は電流ベクトル素辺 A Δl_v によって誘導される物理量
だ。下の関係にある。ΔAp = A Δl_v/r <==> Ap = ∫A/r Δl_v上の式で r は電流素辺
A Δl_v の位置とベクトル・ポテンシャル Ap(x) までの距離だ。φ=ΔQ/r の電圧式と
のアナロジーが成り立っている

さて、四元ベクトル量:<電圧:φ,ベクトル・ポテンシャル Ap> を基本量として相対論
的な電磁気学を構築していくわけだが、そのためには φ と Ap が同じ物理次元を持っ
ていなけれはならない。(この論理を大多数の電気屋は受け付けられないだろう)

電圧φ と ベクトル・ポテンシャル Ap は同じ物理次元にはならないが、光速度 c を
使って Ap/c を作ってやると、この物理次元は電圧:V と同じになる。<φ, Ap/c> の四
元ベクトルを合理的な物理量とでき、この量を基本量として相対論的な電磁気学を構築
していける。

時空間 t,x を四元ベクトルとして扱うとき <c t, x> することで、四成分の物理次元を
同じにしている。これと同じことを <φ,Ap/c> で行ったわけだ。c の位置が 0th 側に
あるか 1,2,3th 側にあるかの違いはあるが、相対論的な電磁気学を論ずるとき
<φ,Ap/c> を使っているので、それに従っている。

光速度 c は四元時空間 <c t,x> を扱うために必要な物理定数とみなせることは、光速
度 c は本質的に無次元の 1 とみなして良いことになる。歴史的な経緯のために c は 1
ではなく下の値を持つことになっている。現在では、この光速度は測定値ではなく定義
値になっている。

c ≡ 299792458 m/s

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さて一見では筋違いのベクトル・ポテンシャルや光速度の話を書いてきたのは、抵抗の
物理次元の話をしたいからだ。大多数の電気屋では、上の話を理解していないからた。
上のことを前提に「抵抗≡電圧/電流」を考えてみよう。下のようになる。

抵抗≡電圧/電流 == 電圧/(ベクトル・ポテンシャル * 光速度) == φ/(norm(Ap) * c)

即ち抵抗の物理次元は 1/[光速度] == 1/[c] == s/m == T/L ということになる。実際
cgs 単位系では抵抗の物理次元は 速度^-1 になっている。(大多数の電気屋では抵抗の
物理次元を 1/速度 にはできないだろうが)

さて光速度の物理次元は「長さ/時間」の物理次元なのだが、相対論での四次元時空で考
える時は無次元量とみなすこともできた。この意味で抵抗の物理次元は 1/速度である
が、これを無次元量とみなすこともできる。この意味で幻実の阿呆が「低効率」の無次
元量を言っているのは、全くの誤りというわけではない。

ただし抵抗は物質量だ。相対論的な四次元時空を論ずるときに必要になる量ではない。
<φ,Ap/c>四元ベクトル量の分布に対し 抵抗≡φ/norm(Ap) の分布を定義することも可
能だが、相対論的な電磁気学には無意味な量だ。