昔短時間使用した事あるのでその経験談(内容狭く一面的、偏りあり)

ネットワークアナライザーは2個を比較する器械である。
比較は四則演算の割り算になるので、端的に言えば割り算器=分子/分母。

但しその比較する2個同士は単位が同じで、周波数も同じ。
よってネットワークアナライザーの測定結果は、分母と分子で単位が消去され、
単位の無い数値(位相あるので複素数、時間の関数)になる---Sパラメーター。

分母は---
ネットワークアナライザーは自身内部に正弦波発振器(可変周波数)を持っている。
そしてその出力には50Ωの抵抗が付いている。これを前面の端子から放射する。
その放射電圧値が分母になる。入射波とも言う。50Ωのインピーダンスを持つ。

分子は---
ネットワークアナライザーは自身内部にバンドパスフィルター付き交流電圧計
(電圧計とパラに50Ωの抵抗が付く)を持っている。その測定値が分子になる。
但しバンドパスフィルターの中心周波数は、分母の周波数と必ず合わせる。

分子は主に以下2個の場合あり。
@被測定物に入射波を与え、そこからの反射波が分子になる。
A被測定物に入射波を与え、被測定物の通過波が分子になる。
※校正は@で行う。オープン、50Ω、ショートの3個の標準キットで行う。

尚ネットワークアナライザーの内部信号経路の特性インピーダンスは50Ωである。
(50Ωはアメリカ系。ヨーロッパ系では75Ω。)

ネットワークアナライザーは1個の周波数で測定する訳ではなく、任意の周波数範囲を
掃引して測定する。その周波数の変化に応じ測定バンドパスフィルターの中心周波数
も同じ様に変化させていく(勿論測定器が設定に応じ全部勝手にやってくれる)。

測定結果の基本表示は、横軸が周波数。縦軸がデシベル(2個の比較なので)。
その他内部の計算で多様な結果表示が可能。
オプションでTDR(タイムドメインリフレクトメータ)表示なども可能。
ネットワークアナライザーのTRR測定結果(内部計算)はTDR専用測定器に
引けをとらない。静電気に強いのもメリット。

使用感想;自分の馬鹿さ加減を分からせてくれる面白い測定器。