来年3月の敦賀延伸に向けた機運が高まっていますが、さらにその先、大阪までの全線開業をめぐってはいまだ多くの課題が残っています。延伸ルートとして避けて通ることはできない京都が抱える問題とは。

ちょうど1か月前、沿線6つの駅で盛大に開かれた新幹線の歓迎セレモニー。国が整備を決めてから半世紀…ようやく目前まで迫った敦賀開業へ、多くの周辺住民が集まりました。
「新幹線なんて夢のまた夢やっとけど、長生きしたおかげで見させてもらえた」(福井の地元住民)

日本で初めて建設された、東京と大阪をつなぐ東海道新幹線。日本海側を通る北陸新幹線は利便性の向上はもとより、南海トラフ地震などの災害が発生したとき、日本の大動脈である「東海道新幹線」の代替ルートとしても期待されています。

■正式決定した「小浜・京都ルート」vs未だ燻ぶる「米原ルート」

新幹線建設事務所の担当者(1978年当時)
「目標が決まりまして、私どもとしてはできるだけ早く着工が決まるように実施計画、具体的な計画に沿いまして作業を進めていきたい」

敦賀以西の区間は、政府・与党のプロジェクトチームの計画では福井県小浜市付近を通って京都、そして京都府京田辺市を経由し新大阪を結ぶルートに決まっています。いわゆる「小浜・京都ルート」です。

この一方、10月1日の加賀温泉駅でのセレモニーでは…

宮元陸 加賀市長
「…お互い手を取り合ってよくしていく、これが大事。あとは“米原ルート”でぜひお願いします。気合を入れて」

加賀市の宮元陸市長のように、早期の全線開業を実現するため琵琶湖を挟んで反対側を通る米原ルートへの変更を求める声も石川県内では少なくありません。

宮元陸 加賀市長
「政治新幹線という話もしたけど、政治はやっぱり変えるためにあるので難しいことにいつまでもこだわっていてまた20年30年とそんな議論いっぱいあるよね。そんなこと考えていても仕方ないので今の日本の停滞を打破してもらうための代替補完機能を早く作ってもらわないといかん」

かつてルートの候補に挙がっていた“米原ルート”…なぜ未だに推す声が燻り続けるのでしょうか。


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